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「ガチンコ力士」はどれくらいるのか? 2011年1月場所番付リサーチ (1)
相撲には八百長ネットワークが存在する。しかし、このネットワークに入っていない力士もいる。この2極化構造のなかで、いわゆる「転ばない力士」=「ガチンコ力士」と、「転ぶ力士」=「注射力士」が存在する。
ガチンコ力士は、注射力士のなかに入ると、なかなか星を伸ばせない。なぜなら、注射力士は全力で、ガチンコ力士を倒しにくるからだ。それは一種の威嚇であり、仲間に引き込む手段でもある。「ガチンコばかりしていると、身体を壊すし、番付を落とすぞ」というメッセージでもある。
そんなわけもあり、昨日までガチンコ力士であっても、人間だから、カネ次第、人間関係次第で、転向してしまうことはしばしばある。したがって、注射力士とガチンコ力士を明確に分けることは難しい。
また、ガチンコか注射か、同じ力士同士でも知らないことがあり、ガチンコで通してきた力士が転ぶとわかったときは、相撲村では大きな話題になる。ただし、それがいつ起こるはわからない。
ここに掲げる表は、関係者に取材し、2011年1月場所における力士のガチンコ度をリサーチしたもの。
協力してくれたのは、大手紙ベテラン相撲記者A氏、元力士B氏、元力士C氏、角界関係者D氏、週刊誌記者E氏の5人である。
前述した理由で、ガチンコ認定はなかなか難しい。そこで、ガチンコ度をランク付けして、◎○△の3段階に分けてみた。
◎=完璧なガチンコ力士。
いわゆる「完ガチ」で、これまで転んだことがないと思われる力士。
○=これまでの取り組みからガチンコと信じられる力士。
△=いちおうガチンコと思えるが、疑わしいこともある力士
というわけで、◎が5つ並べば、ほぼ完璧なガチンコ力士、◎と○の混在でもガチンコ力士と言えるが、△が入ってくると、疑わしいがいちおうガチンコ力士となる。印がなにもつかない力士は、注射が濃厚な力士となる。