Opinion - 11
なぜいけないのか? 短パンTシャツ外出。「けしからん」などと言っている場合ではない!
横綱・白鵬(26)が、5月26日発売の週刊文春などに、技量審査場所千秋楽の翌日となる23日早朝に都内の繁華街でTシャツ、短パン姿で女性に抱きつかれた写真が掲載され、物議をかもした。あわてた協会は、週刊文春の発売当日、両国国技館で師匠の宮城野親方 (元幕内・竹葉山)に厳重注意。角界が八百長問題からの再生へ向かうなかだけに、「けしからん。横綱として改めてふんどしを締め直せ」という旨を告げた。
週刊文春によると、白鵬は千秋楽終了後に都内のラウンジで仲間の力士らと打ち上げに参加。宴は日付をまたいで23日早朝まで続いた。朝4時半に店を出て女性に抱きつかれたところを、文春のカメラマンが撮影した。これと同じ場面かは不明だが、27日発売の写真週刊誌「FRIDAY」にも似たような写真が載った。
相撲協会は、外出時には着物姿を義務づけており、完全に規則違反なのだという。
ことが発覚した時点で、白鵬はモンゴルに帰国中。再来日した28日に、浴衣姿で成田空港到着ロビーに姿を見せた横綱は「今後、行動には気をつけます」と苦笑いを浮かべ、反省の弁を述べることになった。ただし、終始苦笑いのまま。
さて、問題は、なんで、こんばかばかしい規定をいまも相撲協会はつくっているのか? ということ。「外出時には相撲とりらしい着物姿でなければいけない」ということは、たとえば、軍人は常に軍服を着て、24時間軍人でなければいけないということと変わりない。となると、スポーツ選手もまた24時間スポーツ選手、サラリーマンも24時間サラリーマンでなければならないのか? 野球選手が飲み屋に行くのにもユニフォームを着ていたら、滑稽である。なのに、相撲とりなら滑稽でないのか? まったく、よくわからない。
過去に、千秋楽の打ち上げでは、今年1月の初場所で幕内の玉鷲が泥酔して店のガラスを割って問題を起こしたことがある。服装違反では過去に大関・把瑠都が3度注意を受け、いずれも本人が師匠とともに協会幹部に直接、謝罪している。
だから、相撲マスコミも「天下の横綱が公道で女性に抱きつかれた写真を撮られたことは、地位の重さを考えれば何とも軽い。7連覇で開放的な気持ちになったことは理解できるが、より一層の注意が必要だった」と、批判する。バカではないのか? マスコミ側が、「こんな規則は現状に合っていない。なくせ!」と主張しなければ、相撲とりはますます委縮するだけだ。
(2011年6月3日記)