Opinion - 1
「徹底究明」を叫んでもなにも解決しない (2)
そんなわけで、放駒理事長は「徹底解明」と言ったが、今回発覚した14人を生け贄にして、なんとか幕引きに持っていくことしかいまのところ思い浮かばない。
ただ、これを文科省や大手メディアが許すかどうかだ。ここまで不祥事が続くと、とてもではないがそんな幕引きはできないだろう。そうすると「これでは手ぬるい」と、当然、公益法人資格が取り消されてしまう。公益法人でなくなったら、相撲協会は解散に追い込まれ、この場合も結局、いまの相撲村は潰れてしまうのではないだろうか。
つまり、徹底解明しても、中途半端にやっても、いまのままでは相撲村は潰れるしかないのだ。
大相撲「八百長」村が潰れたあとには、なにが残るのだろうか?
残るのは、人々がなつかしさに惹かれてやってくる新観光施設「相撲ビレッジ」かもしれない。相撲協会は、そこで、スポーツではなくなった相撲ショーをやり、わずかな興行収入で相撲を続けていく。この相撲ビレッジには、小さいながらも相撲博物館が併設されている。そして、そこには千代の富士の53連勝も、白鵬の63連勝も、いちおうは「輝かしい記録」として展示されている……と、こんな感じではないだろうか。
相撲は、日本古来の伝統行事という。神事ともされる。
それをこんなふうにしてしまっていいのだろうか? 大手メディアやテレビは「世間が許さない」として、「八百長糾弾」の姿勢を崩さず、おバカコメンテーターも「八百長はよくない」と、なんにも考えずにワイドショーで放言している。
しかし、それはなにも生み出さない。