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大関互助会はどのように機能しているのか?
注射システムが現在もっともよく機能しているのが、最近では大関互助会だ。大関の場合、カド番に転落するという窮地に立った千秋楽は、ほぼ間違いなく勝つ。
カド番数の第1位と2位は、千代大海(通算カド番数14回)魁皇(同13回)だが、この2人とも千秋楽を7勝7敗で迎えたことが、千代大海が7回、魁皇が6回ある。
ここで負ければ、来場所はカド番という千秋楽、千代大海は5回、魁皇も5回免れている。つまり、千代大海は2回、魁皇は1回負けたわけだが、負けたのは2人とも朝青龍で、いずれも朝青龍の優勝場所である。
以下は、《最近7勝7敗で千秋楽を迎えた大関の勝敗表》である。
これを見ればわかるように、7勝7敗大関の千秋楽は横綱(朝青龍)以外には負けていない。
これがなにを意味しているかは、おわかりだろう。
魁皇、千代大海の2人に匹敵する記録を残したが琴光喜だが、琴光喜の場合、4回7勝7敗で千秋楽を迎え、いずれも勝ち越していている。同じく、琴欧州も4回7勝7敗で千秋楽を迎えているが、やはり全勝している。
大関の場合、2場所連続負け越さないと陥落しないが、計算上、8勝7敗と全敗を繰り返しても陥落しないことになる。これでは、大関の価値もないし、互助会が成立するのも当然だ。