Data - 2
経済書も解明した7勝7敗「注射相撲」
相撲の八百長をデータで証明したとして、話題を集めたのが、アメリカの経済学者スティーヴン・レヴィットとスティーヴン・ダブナーの『ヤバい経済学:Freakonomics』である。この本によれば、1989年1月から2000年1月までの大相撲のデータを分析してみたら、千秋楽の7勝7敗の力士の8勝6敗の力士に対する勝率が79.6%だったという。
単純な確率論では勝率は48.7%になるはずなので、なんらかの人為的な要素、つまり八百長があったというのが彼らの主張だ。
しかし、こんなことはとうの昔にわかっていた。
次の表は、わたしたちが1998年に、1年間の本場所で、8勝7敗力士と7勝8敗力士を調べてみたものだ。この傾向はいまも同じで、圧倒的に7勝8敗の負け越し力士が少ない。つまり、7勝7敗力士は、ほぼ勝ち越すということである。
[1998年度の8勝7敗力士と7勝8敗力士数]
8勝7敗 7勝8敗
1月(初場所) 5人 4人
3月(春場所) 12人 2人
5月(夏場所) 11人 5人
7月(名古屋場所) 7人 6人
8月(秋場所) 12人 3人
11月(九州場所) 11人 3人
計 58人 23人