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第1回 年寄株(年寄名跡)とはなにか? なにが問題なのか?

 2011年2月に発覚した「大相撲八百長」問題。この問題の背景には、年寄株(年寄名跡)問題があると指摘する向きは多い。八百長発覚と同時に、外部有識者による第三者機関「ガバナンス(統治)の整備に関する独立委員会」が相撲協会に提出した「協会改革の答申」でも、この問題は大きく取り上げられた。

 では、年寄株とはなにか?なにが問題なのか?

 まず、年寄株とは、日本相撲協会の「年寄名跡目録」に記載された年寄の名称を指す。年寄とは「親方」のことである。つまり、この年寄株がないと、日本相撲協会の役員になったり、相撲部屋をつくって弟子を養成することができないことになっている。これを力士から見れば、相撲協会に残るためには、絶対に必要な資格となる。

 現在、この年寄株の数は決まっていて、一代年寄を除く定数は105家となっている。

 年寄(親方)になるには、このうちのどれか一つを継ぐ必要がある。年寄株は次代の年寄に譲られるが、ここでの問題は、売買も可能なこと。だから、希望者が多かったり、名跡に空きがなかったりするときには、売買価格が跳ね上がる。

 ということは、簡単に言うと、年寄株は「カネを生み出す」元と言うことだ。

 それで、年寄株を購入したくても金銭的に余裕のない力士は、複数の年寄名跡を持つ年寄や、廃業したり日本相撲協会を退職した元年寄から、名跡を借りて襲名することになる。つまり、貸し借りも可能なのである。

 ただし、借り株によって年寄となった場合は、日本相撲協会の理事や監事になることはできなかった。こうした年寄を「平年寄」と言う。また、部屋を開くことも許されなかった。

 このため、不透明な年寄名跡襲名があとを絶たず、日本相撲協会は、1998年に年寄名跡の貸借と複数所有を禁止する措置をとるなど改革に乗り出した。ただし、一代年寄に限っては、一代年寄名跡とそれ以外の年寄名跡を一つ所有することができる例外を設けた。しかし、日本相撲協会は2002年9月に年寄株の貸借を再び認めて、現在にいたっている。

 今回の八百長問題では、「ガバナンスの整備に関する独立委員会」が、年寄株問題に再び踏み込んだ。いちばん問題になったのは、年寄株によって収入が保証されていること。名跡を収得すれば、65歳の定年まで、事実上1000万円以上の年収が保証されるので、これまで億単位で売買されてきたという事実だ。これを認めている現在の状況を改善し、売買の禁止、収得プロセスの透明化、株だけでなく親方としての適性の重視などを答申した。

 特に売買禁止を答申した親方株については、「協会が有償で年寄名跡を買い取る場合、協会が財政的負担に耐えられるかなどを踏まえつつ、具体的な改善方策を検討すること」とし、「資金調達力のある者のみが指導者(年寄)になれるとの指摘を考慮すること」などを、協会に求めてきた。

 しかし、2010年6月1日、名古屋場所再開にあたり、文科省の芦立訓競技スポーツ課長は、事実上、金銭で高額売買されている年寄名跡については、同省は問題視していないことを明かした。この日、協会は公益財団法人化への組織改革案と工程表を提出し、そのなかには、年寄株の改革も盛り込まれたが、 同課長は「金銭のやり取りは問題視していない」と話した。さらに「高額のためタニマチなどから借金せざるを得ず、そこに暴力団が入る余地があることが不祥事の温床なのでは」と指摘。芦立課長は「不祥事を二度と起こさないような組織づくりをしなければならない。例えば信用できる金融機関を指定して、お金を借りられるようにするなどの代案を協会が出せばいい」と話した。

 現在、独立委の答申には、理事の過半数を外部から招へいする案。また年寄名跡を協会が買い取る案や部屋数を50から30程度に減らす案が示されている。ただ、この実現には、今後の検討が必要とされ、問題は先送りされたままになっている。

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