Opinion - 2
本当に責任があるのはNHKや大手メディア (1)
さて、相撲の最大の楽しみは、勝負の予想である。
その前提として「ガチンコ」と「注射」がある。これを事前に見分けなければならない。そして、「この一番はガチンコか注射か」と予想し、「やっぱり○○山は転んだ」と推理が当たったときが、本当に面白いのである。
この予想を立てるためには、前場所、前々場所までさかのぼり、両者がどんな星の売り買いをしたかを読まなければならない。また、「中盆」(なかぼん:注射の仲介役)を中心にどのようなネットワーク(人間関係)ができているのか、事前にリサーチしておかなければならない。これは、かなり難しい作業だ。
しかし、本当のファンなら、みなこうした楽しみ方をしてきた。真剣勝負で「○○山、がんばれ!」と叫んでいるのは、相撲の表の顔しか知らない人間、子供たちだけだ。
ところが、相撲記者は、このことを知っている。日頃から力士や親方とつき合っているのだから当然だ。
ならば、彼らは本来なら「じつは力士が星の売り買いをしているのは知っていました。春場所の○○山の大関昇進がかかった一番は注射でした。それなのに、あんな記事を書いてすいません」と、相撲協会より先にファンに素直に謝るべきだったと思う。
去年追放された琴光喜は、朝青龍に27連敗した。
これを「苦手」と書いてきた記者は、全員、嘘つきだ。琴光喜は相撲史に残る数々の記録を残したが、「ここ一番に弱かったのは、ばくち好きのくせに、花札に弱い。その借りを土俵で返すことが多かった」(角界関係者)からだ。
こんなことは、大手メディアの相撲記者ならそれこそ全員知っている。つまり、本当に責任があるのは、報道しなかった相撲記者のほうではないだろうか。相撲記者こそ、見て見ぬ振りをしてファンの楽しみを奪った張本人である。
と、前置きがながくなったが、では、本題に入ろう。(続く)