Opinion - 7
やはり調査委は大バカだった! 23人処分のとんでもない内容。
厳しい処分が出ると言われていたが、まったく無意味の処分に終わったのが、4月1日に発表された力士と親方に関する処分ではなかろうか。
「そもそも調査委員会にまかしたのが間違い」
「誰でもあの程度の処分ならできる」
「これで先行きが見えなくなった」
と、相撲を愛する人々からは悪評ぷんぷんである。
「大変残念なこと」と、放駒理事長(元大関・魁傑)は1日の会見で苦渋の表情を浮かべ、調査委の結論を受け入れたが、その心境はどんなだったか?
会見には放駒理事長ら協会理事2人と、特別調査委員会の伊藤滋座長(早稲田大特命教授)ら委員7人が出席し、処分の内容と基準が示された。しかし、その基準はあいまいで、「反省しているから引退勧告ではなく2年間出場停止」というのだから、開いた口がふさがらない。
当然、報道陣からは、処分力士らから不満が噴出した認定根拠に質問が集中した。伊藤座長は「供述の信用性の評価が問題」と述べ、竹縄親方(元前頭・春日錦)や幕下・恵那司ら八百長を認めた3人の供述が具体的で一貫していることを強調した。また、「法的措置を口にする力士らもいるが」という質問に対しては、十分に対対処できるような見解も示した。
八百長を認めた3人は調査に対し、いずれも他の力士から「誘われた」と説明したという。深沢直之委員はこのうち1人が「幕下に落ちると結婚披露宴が開けなくなるという思いがあった」と話したことを挙げ、「処遇の問題や情けの部分があった」と協会の体質に言及した。
しかし、こんなことが調査のなか? ただ、聞き取りをしただけではないか?
この日の理事会で23人の親方・力士に弁明の機会が与えられた。その中の力士1人が「調査の仕方に問題がある。野球賭博のときと一緒で逃れた人間がいる。ちゃんとしてほしい」と訴えたが、聞き入れられなかったという。
そうしたなか、村上泰委員は「過去の八百長は記憶があいまいになり、供述証拠を得るのが難しい」と、あっさりと調査手法の限界を強調し、自分たちのいい加減さを認めるしかなかった。
そもそも八百長の「全容解明・処分・再発防止」を3点セットに掲げたのが、間違いである。さまざまな事情がある相撲の八百長を、一般の違法賭博行為のように捉えてしまったことも間違いと言えるだろう。
全容解明と言うなら、ケータイメールで発覚した力士たちだけに絞った調査も間違いである。
つまり、できるわけがない目標を掲げ、「できたのはこれだけです」と言ったにすぎない。これでは、この問題は永遠に終息しないだろう。相撲には注射とガチンコがあるので、この際、公益法人の看板を降ろすので、これまでのことはなかったことにしてくださいと言うしかないだろう。
(2011年4月2日)