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特別調査委員会はやる気があるのか? 座長からしてノーテンキ
相撲八百長村の大騒ぎが続くなか、2010年2月14日、八百長力士に下るはずだった処分が延期された。
この日までに協会は、八百長に関与した3人の力士を「除名」する予定だった。特別調査員会は、この日までに十両以上の全関取70人の聞き取り調査を終えて理事会に報告。理事会は、元幕内・春日錦、十両・千代白鵬、三段目・恵那司の3人に対し、賞罰規定で最も重く、現行制度では過去に適用されたことがない“除名処分”を下すことになっていたが、見送ったのである。
日本相撲協会の罰則は、重い順に「解雇」「番付降下」「出場停止」「減俸」「譴責」となっている。「除名」は「解雇」よりも重く、退職金が支払われない。「解雇」は、2007年に新弟子死亡事件で責任を問われた先代時津風親方(元小結・双津竜)、2010年7月の野球賭博関与の責任を問われた元大獄親方(元関脇・貴闘力)元大関・琴光喜らがいるが、「除名」はこれまで例がない。
したがって、今回、この処分が下れば、八百長問題の解明はさらに進展したはずだった。
こんな状況を見て思うのは、特別調査委員会に限らず、現在の角界には、どうやってけじめをつけるべきか、名案はなにもないということだ。
ここで、はっきり書くが、この特別調査委員会は、座長の伊藤滋早大特命教授(79)からして、あまり相撲を愛していないように思える。
そもそも伊藤座長が2008年に外部理事になったのは、武蔵川前理事長(元横綱・三重海)のツテである。これまで相撲とはまったく関係ない人生を歩いてきた人である。就任後に「規約(日本相撲協会寄付行為)は読んだことがない」と言ったのには驚かされたものだ。
今回も「春場所(やるかやらないか)? そんなもの知らないね。いいんだよ外部委員なんだから」と、この人は、報道陣に対していきなり言っている。
さらに、前回の野球賭博騒動の渦中でも、報道陣に「自分の専門は都市計画だからね。こっちに頭を使っているんだよ」なんて発言もしている。
こんな座長でなにができるというのだろうか?
(2011年2月15日記)