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舞の海が「八百長撲滅難しい」と講演で発言
大相撲の八百長問題について、NHKの大相撲解説者で、元小結舞の海が、ストレートに発言した。舞の海は3月8日、関西プレスクラブの招きで大阪市内のホテルで講演し「お金のやりとりとか八百長はいけない」と語ったが、「人情相撲とかいわれるけど武士の情けはある」と相撲界の体質を指摘したうえで、「八百長をなくすのは難しい」と続けた。
「人間のやることだから非常に厄介。お金のやりとりとかシステム的に八百長をやるのはいけないこと。ただ、人情相撲とかいわれるけど武士の情けはある」と言い、具体的な名前や日時は明かさなかったが、人情相撲の一例を体験をもとに以下のように示した。
「私が10勝4敗で、相手が3、4勝で幕下、十両に落ちそうになった時に、千秋楽で仕切っている間に頼むよと目が言っている。(一緒に)酒も飲むし、ゴルフもする。かわいそうとは思ってないけど、奥さんや子どもの顔が浮かんできた。そのときは負ける」
しかし、調べてみると、舞の海が10勝4敗で千秋楽を迎えたのは、幕内では1993年夏場所、十両では1997年春にそれぞれ一度ずつあるが、いずれも千秋楽は勝っている。
とはいえ、1991年の9月場所で、平幕の琴錦が優勝したとき、千秋楽で当たった舞の海が星を譲って優勝させたのは、有名な話である、このとき、舞の海は琴錦の一押しに、あっという間に土俵を割っている。これは、人情相撲などではない。
ただ、こんな一例も挙げた。1996年名古屋場所で、小錦と対戦した際、左膝に小錦の全体重がかかり靱帯2本が断裂した。それがきっかけで、舞の海は十両に陥落。5場所後の1997年夏に再入幕を果たし、再び小錦と対戦することになった。
「(このときは)恐怖心から横に変化した。2、3歩歩いて向き直って襲いかかってくるだろうと思ったら、(小錦は)そのまま、トコトコ歩いて土俵を割ってしまった。びっくりした。どう見ても “ 八百長相撲 ” なんですね。多分、頑張って上がってきたんで、この1勝は『お祝い』だったんだろうと」
こんな話をして、八百長撲滅策にも言及。それでも「(八百長を)あぶり出す方法はないでしょう」と、決定的な手だては簡単には見つからないと言った。現状の打開策としては、「公益法人を返上したほうがいい」と講演を締めくくった。
(2011年3月10日記)