●11/04/16●
「お願い」だけでも解雇へ! 八百長防止策新生委が8項目提言
日本相撲協会は4月15日、東京・両国国技館で臨時理事会を行い、八百長問題の再発防止を検討する「大相撲新生委員会」(委員長・島村宜伸元文相)から、故意による無気力相撲懲罰規定の適用拡大、懲罰強化や、支度部屋の規律強化など8項目の対策について提言を受けた。これを受け、協会は懲罰規定の改定は即日承認し、ほかの項目については4月中に対応をまとめることを明らかにした。
懲罰規定の8項目は、すでに明らかになっていたが、今回はさらに踏み込んで、懲罰強化している。これまでの懲罰規定では重い順に〈1〉除名〈2〉引退勧告〈3〉出場停止〈4〉給与減額〈5〉けん責だったが、今回の新規定では、給与減額とけん責を削除し、除名の次に重い解雇の処罰を加え、八百長に手を染めた協会員には断固とした姿勢で処罰する方針を打ち出している。
さらに、監察委員会が敢闘精神に著しく欠けると判断すれば厳重注意し、一場所で2度の注意を受けた力士には、休場勧告ができることも決定した。八百長の申し込みや要求、約束をした力士にも処罰範囲を広げた。つまり、実際にやっていなくても、八百長の「お願い」をしただけでも処罰を受ける。また、当事者ばかりか、「中盆」にも適用するというわけだ。
ただ、これまで議論されていた「携帯電話の持ち込み禁止」など支度部屋の規律強化、監察体制の強化など懲罰規定以外の7項目については、放駒理事長は「理事会でもんで、4月30日までに対策案をまとめる」と話した。
「これでいちおうの決着」「八百長が発覚して以来、放駒理事長が繰り返してきた〔調査、処分、再発防止〕の3点セットが出そろった」という見方もあるが、実際は違うという見方も。「これは単なる幕引きへの3点セット」(相撲記者)という者が多く、これで相撲が変わるかどうかは「やってみないとわからない」と、本音言う親方もいる。理事長は「2度とこの規定が使われることがないよう、自覚して素晴らしい相撲を見せてほしい」と述べるに留まった。