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●11/05/26●

年寄名跡問題で改革やる気なし。相撲協会は「姑息」と独立委座長が痛烈批判!

 八百長問題が発覚して以来、相撲村は大揺れになったが、問題の根底にあったのが「年寄名跡」。これを持っていれば一生安泰なため、これまで高額で売買され、名跡をめぐっての数々のトラブルがあった。また、それと平行して、協会が公益財団法人に移行することも、今回の問題の焦点になっていた。この2つの問題は、もちろん、リンクしていている。

 そんななか、日本相撲協会は5月25日、国技館で公益財団法人への移行手続きを検討する公益法人制度改革対策委員会を開いた。会合では、ワーキンググループから、公益認定委員会へ認可への質問を行ったことが報告された。その結果、協会と力士、部屋、年寄の間で契約書を新たに設けて雇用するか、あるいは委任関係を結ぶ必要があることが指摘された。

 そこで、協会は、今後は公益認可に向け、契約書の条項を煮詰めることになったが、年寄(親方)名跡の売買は親方同士の問題だとの立場を取るという方針を決定した。

 「やはりそうでしょうな。協会のホンネは、雇用関係も契約書も、ぜんぶあいあまいなままにしておきたいということですよ。そうしないと、親方衆がおさまらない」と、あるタニマチ。というのは、雇用関係を明確化した場合、年寄り名跡のいままでどおりの売買は不可能になるからだ。そこで、とりあえず「検討する」ような姿勢をみせ、あくまで売買は親方同士の問題としたのだという。

 しかし、この件で怒った人間が出た。それは「ガバナンス(統治)の整備に関する独立委員会」の座長を務めた奥島孝康氏(日本高野連会長)だ。奥島氏は「公益法人化をやめるならそれでいいが、あきれ返る」と痛烈に批判した。

 改革委が、相撲協会と親方の契約関係を「雇用」ではなく「委任」として弱めることにより、名跡売買は個人間の行為で協会は関知しないとする考えだと知ると、奥島氏は「委任でも同じ給料を払うのだろうし、そうしたやり方は姑息だ。人をばかにしている」と強い口調で語ったのである。

 独立委は公益財団法人化のためには相撲部屋の位置付けを明確にし、親方が協会の業務を行う場合は雇用契約とするべきだと答申。名跡の高額売買も、現状では理解を得られないと指摘していた。こんな状況で、本当に名古屋場所をやるのだろうか?

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