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本当にガチンコ場所になるのか? 大相撲名古屋場所を占う。
今回の名古屋場所は、じつに半年ぶりの本場所。しかも、八百長なしの正真正銘のガチンコ場所として行われることになっている。では、どんな場所になるのか? 少々占ってみたい。注目点は以下の5つである。
1.横綱・白鵬の8連覇はなるのか?
日本相撲協会は8日、取組編成会議を愛知県体育館で開き、2日目までの取組を決定した。そうして、単独史上最多となる8連覇を狙う横綱・白鵬の取組が、初日に小結・栃ノ心、2日目に平幕の土佐豊と決まった。これを見るかぎり、白鵬の8連覇は固いだろう。ただし、全勝優勝はありえないと見たい。なぜなら、そうなると、ガチンコ場所とはとても呼べなくなるからだ。
本当にガチンコ場所なら、横綱を死のも狂いで阻止する力士が登場しなければならない。その筆頭は、欧州勢の琴欧洲か把瑠都以外にはない。もちろん、白鵬の天敵の稀勢の里も阻止すべき存在だ。しかし、琴欧洲はカド番で自分のことで精いっぱい、把瑠都は短パン外出を続けるように、もうハングリー精神を失っている。となれば、稀勢の里の調子次第だが、これもあやしい。こう考えると、全勝優勝はありそうとも言える。
いずれにしても、シナリオ的には、白鵬を8連覇させて、相撲人気の復活を狙う道が敷かれている。この空気に、全力士が従うかどうかだ。
2.魁皇、通算1045勝の史上1位記録達成は?
千代の富士が持つ通算1045勝の史上1位記録にあと1勝の大関・魁皇は初日に嘉風、2日目に小結・豪栄道と対戦する。豪栄道がどこまでやるかで、記録達成は2日目以降になるが、達成は決まったようなものだ。ただし、達成しても、本当のガチンコ場所とすれば、魁皇の負け越しもありえる。この場合、次のカド番場所で大関陥落を逃れ、11月のご当地場所、九州場所で引退という花道シナリオとなるだろう。
3.関脇・琴奨菊の大関取りは?
12勝以上が必要の琴奨菊は初日に豊ノ島、2日目に若荒雄と顔を合わせる。ただし、ここを無事に通過しても、まず無理だ。ガチンコで12勝の力は彼にはないからだ。したがって、琴奨菊の大関取りが決まったら、今場所はガチンコ場所ではなかったことになる。
4.カド番大関・琴欧洲は大関に残れるか?
現在の琴欧洲の力は、8勝が精いっぱいである。とすれば、カド番を逃れることは極めて難しい。魁皇、把瑠都、日馬富士らの人情相撲に頼るしかない。これをすべて落とし、白鵬と稀勢の里に敗れると、それだけで5敗となってしまう。
5.新入幕2場所目・魁聖は負け越すか?
先場所(技量審査場所)でもっとも注目されたブラジル人力士・魁聖は、5枚目まで上がった。こうなると、上位陣と対戦するため、従来の注射場所なら必ず負け越す。しかし、ガチンコなので、もし勝ち越せば、その力はホンモノということになる。
いずれにしても、前場所(技量審査場所)の成績はなんの尺度にもならない。いちおうガチンコ場所とされたが、実態は負け越しても番付が落ちなかったので、力士たちは相当手を抜いていた。しかし、今場所はそうはいかない。
はたして、みな必死に相撲を取るのか? その見極めは中日までの経過で決まる。
(2011年7月9日記)
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