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技量審査場所は中日まで期待を裏切る低調場所に! なぜ、ガチンコなのに盛り上がらないのか?
約1万1000人の定員に対し入場者は7620人。
相撲協会は5月13日、これまでは残券のみを公表していたが、この日から正式に入場者の人数を公表した。相撲協会によると国技館の入り口に入場者数をカウントできる機器を3日目から設置。3日目から6日目はいずれも6000人台だったという。放駒理事長は「それだけ興味を持っていただいているということだ。力士は一生懸命 やってほしい」と話した。
このように、ファンは無料のせいもあり、国技館に足を運んでいるが、玄人ファンは「ガチンコ場所とあって白熱の取り組を期待してきたが、面白くない相撲が多い」と、評判はあまりよろしくない。「まあ、力士は前半からガチンコで飛ばしたら持たないのだから、後半戦に期待しますよ」という声が強い。
しかし、その後半戦も期待できるかのだろうか?
ガチンコ場所が盛り上がらない原因は、
- 力士の稽古が足りていない(そんななか完ガチでいったらケガをする)
- 取組がこれまでと同じで、前半戦から番付上位同士の取り組みが組まれていない
- 監視する側にもやる気がない
- 大震災の影響
……などが挙げられる。
ガチンコなのに取り組みが「雑」なのは、たとえば、7日目の阿覧の反則負けにも現われている。この日、突いて出て攻め込もうとした阿覧だったが、嘉風に押し返され懐に入られた。それで、土俵際で苦し紛れに右からはたき込んだ。軍配は阿覧に上がったが、すぐに物言い。中村審判長(元関脇・富士櫻)がビデオで確認したところ、阿覧の右手が嘉風のまげをつかんでおり、2009年九州場所4日目の玉乃島以来の反則負けとなった。
「押し込まれてから繰り出すはたきは安易な技で、攻防の少ない内容になりやすい。あれは技とは言えない。結果的に楽な勝ち方をしようという気持ちの現われ。それが反則を招く」
と、元力士。
上位陣が安易な取り組みをしているのは、把瑠都の「遊びの場所みたい」発言で明らかだ。把瑠都は4目の取組前に相撲協会幹部から厳重注意を受けた後は、3連勝している。
今場所は、携帯電話を支度部屋に持ち込むのが禁止された。この対象は、関取とその付け人だけでなく、幕下以下の若い衆も含まれる。また、支度部屋には親方が陣取って、力士の行動を監視することになった。
しかし、その監視は親方一人一人で違う。厳しく注意する親方もいれば、ただ座っているだけの親方もいるのだ。3日目に新入幕の魁聖が兄弟子の魁皇に先に帰る挨拶のために東西の支度部屋を往復したが、注意されなかった。4日目には、日馬富士の付け人が、打ちだし後に携帯電話を使っていたのが目撃されている。
「盛り上がるのは10日目からでしょう。とはいえ、白鵬に全勝優勝させるかどうか? 誰が止めるか? ぐらいしか見どころはないですね」(玄人ファン)
以下は、旭天鵬の8日まで取り組みの決まり手だ。勝っても負けても、ぜんぶ「寄り切り」「寄り倒し」。これでは、盛り上がるわけがない。
旭天鵬(4勝4敗)
初 日 ● 寄り切り 嘉風
2日目 ○ 寄り切り 土佐豊
3日目 ● 寄り切り 朝赤龍
4日目 ● 寄り切り 栃ノ心
5日目 ○ 寄り切り 翔天狼
6日目 ○ 寄り倒し 豊響
7日目 ● 寄り切り 若の里
8日目 ○ 寄り切り 阿覧
(2011年5月15日記)